言葉で動きをデザインする
選手を指導する立場において、最も重要なのは“言葉”です。
指導者自身が持つ言葉の強さは選手を動かします。
その言葉には、指導者自身が培ってきた経験だけでなく、知識や思考が体現されます。
野球でも、ゴルフでも、理想的なフォームに導くためには、言葉をどのように使うのかが重要です。
簡単に説明します。
例えば、下図のようにボタンを押すという課題を与えるとします。
この課題を ①フェンシングの選手 と ② 野球の選手 に対して練習に使うにはどうしたらよいでしょうか?
意味が分からない方もいらっしゃったかと思いますが、言いたいことはこういうことです。
競技に必要な要素をいかに引き出すか
① フェンシングの場合:素早く前方に移動する能力が必要
②野球の場合:腕を大きく全身を使って振り切る能力が必要
①素早く前方に移動する → できるだけ早く触る
②力強く腕を振る → できるだけ強く叩く
同じ課題でも口頭支持の仕方によって、動きは変化させることができます。
逆に言うと、動きを変化させるために指導者側がどのような言葉の使い方をしているかによって指導の質は変わってきます。
選手の動作を観察して、適切な動きを誘導するために指導者がどれだけの語彙を持っているかは重要な要素です。
もしも、選手が指導者の思うような動きができなかった場合には、適切な言葉を選択できていない可能性を疑う必要があります。
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