選手の言語的な理解が不十分であることは、前回お伝えしました。
https://movement-design.com/?p=156
今回は、伝え方について解説していきます。
伝え方には、口頭指示(言語)、写真(静止画)、動画、など様々な方法がありますが、それぞれに特徴があります。
個々のメディアの特徴は、容量で説明することができます。
例えば、文字だけのワードの文章をパソコンにデータ保存しようとした場合、数KB(キロバイト)の容量にしかなりません。しかし、静止画であれば数MB(メガバイト)になりますし、動画ともなれば数百MB〜数GB(ギガバイト)になることもあります。
容量が大きいほど、ヒトに対する脳への刺激が強くなります。ヒトの脳の構造上、刺激が多いものを好む特徴があります。この脳への刺激の量は、理解度に大きく関与します。
少し分かりにくくなったかもしれませんが、つまり
ということです。
言語は抽象度が高い方法です。
抽象度が高いとはどういうことかと言うと、
例えば 「手を挙げてください」と口頭支持します。
① 肘を曲げて 手を挙げる
② 上肢全体を挙げて 手を挙げる
② 上肢全体を挙げて 手を挙げる
言語は抽象度が高いので、解釈の仕方は選手によって異なると言うことです。
逆に、静止画や動画は具体的なので、イメージが共有されやすい方法となります。
特に、現代のインターネット時代においては言語的教材よりもyoutubeなどの動画を活用した指導の方が受け入れやすい時代になっています。
一方で、動画のデメリットも存在します。
つまり、動画を選手に見せたときに、どこをポイントに見ればいいのかが分かっていないことがよくあります。
例えば、先程の手を挙げるという動作についても最終的な手の位置はわかったとしても、正面(前額面)からの映像だけではなく、矢状面(横から)、水平面(上から)の映像を考慮して伝える必要があります。
また、運動は全身運動なので、手を挙げる動きを見ても、手首の位置だけしか見ずに、肘の軌跡や体幹の動揺具合まで考慮して、どのポイントを見るようにするのか、指導していく必要があります。
もう一つのデメリットは、
ヒトは言葉によって、思考することができます。つまり、言葉に出来ないのは考えていないのと同じです。
具対的にどういった問題が生じるかというと、自分がこういう風な動作をしたいと指導者に伝えるときに、動作を言語に変換できません。具体的な言葉を持てるほど、思考力が養えます。言語化は、自分を客観視する最良の方法なので、この能力を奪いすぎないように気をつける必要があります。
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