“体幹が安定している=身体が垂直位で保持できている” ことを意味する場合が多いと思います。
体幹を真っ直ぐに保つためには、骨盤を水平で保持する必要があります。骨盤が傾くとその上に並んでいる背骨が真っ直ぐに積み上がることができません。
片脚立位時の方略にも2パターンあり、
- 骨盤が水平に保ったまま、側方に移動する場合
- 骨盤が傾斜して、体幹を側屈させて保持する場合
この2パターンにはメリットとデメリットがあり
- 体幹は垂直を保てるが、膝が外反しやすい
- 体幹(背骨)は曲がるが、膝への影響が少ない
骨盤を安定させるには、中臀筋というお尻の横の筋肉が重要になります。
中臀筋を使って、骨盤を水平に保つことが体幹の安定の条件です。
体幹の垂直が絶対的に正しいとは言いきれません。
100mの有名な2人の選手の走りを捉えた写真があります。
1人は、体幹を真っすぐにした状態で、つま先を外に向けて蹴り出しています。
もう1人は、身体を少し傾けて重心を着地側の股関節の真上に乗せるようにして、つま先は真っすぐのまま蹴り出しています。
重心が股関節の直上に位置すると、股関節の左右方向の力が不要になります。(外転筋を使って重心を支持する必要がなくなる。)
重心が真ん中にあり、股関節から距離が出ると股関節の外転筋を使って、骨盤を水平に保つための力が必要になります。
体幹の動きは重心移動に直結します。重心をどこに置くかによって、身体の使い方は大きく変わります。
重心が真ん中にある状態で、蹴り出そうとすると股関節を外旋させるようにして力を発揮するので、つま先は外側を向きやすくなります。
一方で、股関節の上に重心があるとつま先は真っ直ぐを向いたまま蹴り出すことができるので、前後方向の力の向きに集中することができます。
股関節の上に重心を持ってくると、左右交互に重心を移動させる必要があるのでエネルギー消費の観点からは不利な面もありますが、下肢の推進力を得られやすい有利な点があります。
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