なぜ、投球で肘は下がるのか?

成長期に起こる問題点

基本的に投球時に肘が下がる理由は・・

Cameron N, Tanner JM, Whitehouse RH.A longitudinal analysis of the growth of limb segments in adolescence.Ann Hum Biol. 9(3):211-20. 1982

成長のピーク速度が発生した年齢では、遠位のセグメントが近位のセグメントに先行して成長していた。

成長期は骨の成長が著しく、骨長の増加とともに骨量が増加して腕が重たくなります。

小学生は肘障害、中学生は肩障害

投球障害の統計において、小学生年代で肘関節の障害が多く、中学生年代では肩関節の障害が多いことが知られています。

この原因も骨の成長から考えることができます。

上肢の骨の成長は、遠位から成長する傾向があるので、

成長の傾向

小学校年代 → 前腕の成長が著しい(11〜12歳頃)

中学校年代 → 上腕の成長が著しい(12〜14歳頃)

成長期の骨の成長は著しいので、身体を支える筋肉が発達が追いつかないために、腕を大きく速く振ってしまうと慣性モーメントが大きくなってしまいます。

自分の身体を十分にコントロールできないために起こってくる問題です。

どうやって未然に防ぐか?

骨が重すぎると、重さに適応しようとする反応がみられます。上肢の特徴的な現象を解説していきます。

評価の3つのポイント

  1.  肩甲骨の位置 (小胸筋の硬さ=タイトネス)
  2.  肩甲骨の安定性(僧帽筋・菱形筋の固定性)
  3.  肩甲骨の運動性(僧帽筋・前鋸筋の活動性)

上肢を支える肩甲骨の機能を見極めることによって、腕の重みを支えることができているのか確認することができます。

特に、身長が急激に伸びている時期や身体が大きくなっている時期には、定期的な評価が必要です。

自分の身体を十分にコントロールできない状態で、投球数が増えてくると疲労も重なり、上肢の慣性モーメントが関節への負担となってしまいます。

適切な休養や肩甲骨・体幹周囲のトレーニングを行うことによって身体を支えていく必要があります。

また、骨の重さを支えるために筋肉が過剰に働くことによって、筋肉が硬くなる症状も顕著になります。ストレッチを含めて硬くなる筋肉へのアプローチが必要です。

成長に合わせて、自分の身体を支えられるように評価しよう‼️

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です