Cristiano Ronald vs. Messi
スポーツ選手における縦回転と横回転についての概要は前回説明しました。
この縦回転と横回転については、選手の骨格やプレースタイルによって使いやすさが異なります。
クリスティアーノ・ロナウド選手とメッシ選手を比較して説明してみます。
ロナウドは縦回転 メッシは横回転
2人の超一流選手のFK画像から考察してみます。
クリスティアーノ・ロナウド選手は縦回転のキックが優勢です。
縦回転のキックの特徴は、キックした際に蹴り足が直線的に動くと同時に上半身は伸展方向で抑えるような動きをします。
縦回転のキックの特徴は、綺麗な直線のシュートかドライブ回転の掛かった急激に落ちるようなシュートになります。
直線的なロングシュートやドライブ回転の掛かったシュート集
直線的なキック動作に必要なのは、腹直筋や腸腰筋、大腿直筋といった筋肉です。クリスティアーノ・ロナウド選手の鋼のような腹筋については、メディアで取り上げられるところですが、直線的な動きには欠かせません。
一方で、リオネル・メッシ選手は横回転のキックをよく使います。
横回転のキックの特徴は、キックした下半身が骨盤の回転によって力を生み出すためにカーブ回転がかかることで、メッシ選手は右サイドからのカットインからゴールの左隅に向けてキックする場面が多く見られます。
曲線的なロングシュートやカーブ回転の掛かったシュート集
横回転のキックに必要なのは、体幹であれば腹斜筋群、下半身であれば腸腰筋と内転筋群、回旋運動を支持する臀筋群が必要になります。
この使い方は、以前説明した筋シナジーが影響するのですが、無意識にプレースタイルに影響を与えます。
例えば、横回転のキックを行おうとする場合は、必然的に助走は弧を描くような形で踏み切ります。一方で縦回転の場合は、助走は直線に近くなります。
これは、助走の勢いは慣性の力を利用することなので、その方向に走った方が回転方向により強い力を与えることができるからです。
そのため、ロナウド選手は直線的なドリブルから直線的なシュートを打つことができますが、メッシ選手は右サイドから中央に切れ込んで(カットインして)左足でボールを巻くようにシュートを打つことが多いです。
筋シナジーは、基本的に無意識に作られて活用されていくものなので、繰り返される習慣によって得意な形が決まってくるとも言えます。
もちろん、2人とも違う回転方向も使えますが、プレースタイルを科学的に分析するためにあえて比較しています。
プレースタイルやキック動作などを科学的に分析すると、選手のクセが見えてくるので違った見方ができると思います。
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