理学療法士やトレーナーにとって、選手の障害予防を考えていくことは重要です。
どの評価方法が障害を最も予測できるのか、どの治療方法が最も効果的か。常に悩みは尽きません。
そのために、日々学んでいくのですが、時に不都合な事実も留めておく必要があります。
スポーツ分野においても、前十字靭帯損傷や足関節靭帯損傷(捻挫)の予防の研究は永遠の課題です。
先日公開された1本の論文
https://bjsm.bmj.com/content/bjsports/early/2019/10/14/bjsports-2019-100602.full.pdf
“専門家にも前十字靭帯損傷の予測は難しい” ことを明確に示しました。
前十字靭帯の損傷は、サッカーやバスケットボール、ラグビー、バレーなど多くの競技に発生し、ジャンプの着地動作や切り返し動作などで起こります。
一般的に、膝の前十字靭帯は膝が外反する(knee-in: 膝が内側に入る)と発症しやすいと考えられています。
そのため、評価であれ、治療であれ、選手には動作時に膝が内側に入らないように徹底的に指導を行います。実際にアスレティックトレーナーの試験でもこれを指導できないと合格できません。
しかしながら、最近の研究では膝外反の定量評価では、予測が難しいことが明らかになっています。
おそらく、リハビリの内容も40年ほど前から、指導の内容は大きく変わっていないのですが、そろそろ認識を変えていく必要があるのかと思います。
科学の一番の良さは、客観性です。
今回の論文は、現実を直視して、専門家ほど常に謙虚に学んでいく必要を痛感させられる内容でした。
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