最先端の科学的技術を使うことによって、ヒトの動きはかなりの確率で予測することができます。
下記に3つの有名な研究を紹介します。
3つの研究に共通するものは、ヒトの動きを全身骨格モデルからデータを抽出して、最終的な動き(ボールの軌道、ジャンプの着地位置、パンチの軌道)を予測しているという点です。
つまり、最終的な動きに到達する前に、ヒトは予備的な動作を必ず行っているということがわかります。
ヒトの動きを予測するためには、その予備動作を見分けられるかどうかにかかっています。
少し先の未来を予測する方法がわかれば、意識的に未来を見ることができるかもしれません。
ボールの軌跡を予測する
Prediction of Volleyball Trajectory Using Skeletal Motions of Setter Player
東京大学とJSTさきがけによる研究チームは、バレーボールにおけるトスの動きに基づいて、0.3秒後のバレーボールの2次元的な位置を予測する手法を提案しています。これはKinect v2センサーを用いて、トスをする動きに対して3次元骨格座標をセッターの正面から計測し、取得したデータを時系列順に並べたデータセットをニューラルネットワークの入力として使用します。ネットワークの出力と、セッターの左側面から計測した映像から検出した実際のボール軌道との誤差が小さくなるように学習しています。機械学習ライブラリはChainerを用います。
結果、トスの動きが未学習のテストデータであったとしても、ボールの軌跡を高い精度で予測することを実証しました。また、下半身を入力するよりも、全身、あるいは腕部分のみを入力する方が、高い精度になることも実証されています。
ジャンプ動作の着地位置を予測する
東京大学 篠田・牧野研究室は、Kinectセンサーから人間の動きを測定し、ニューラルネットワークを用いてリアルタイムに0.5秒後の人間の動きを推定するシステムを提案しています。
25個の人体関節を検出し時系列順に並べたデータを入力に、5層のニューラルネットワークで学習し0.5秒後の動きを予測します。上記GIFを見てもらえれば分かるように、ジャンプした後の着地部分に影が先に到達しているのを確認できます。
格闘技の動きを予測する
東京工業大学による研究チームは、1台のRGBカメラによる画像から0.5秒後の相手の動きをリアルタイムに予測するdeep learningを用いた格闘訓練システムを提案しています。RGB画像の入力から相手の未来の姿勢を推定し提示することで格闘を訓練するシステムです。
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