世界No1コーチと言われるアンソニー・ロビンズという方がいます。世界的に有名な方のコーチングは、テクニック的な部分ではなく、その人が持っている考え方を変えていきます。
理学療法やトレーナーの講習会は、基本的にはテクニカルな内容が大半ですが、一流と言われる講師のセミナーを分析してみると、テクニックよりもヒトの変え方が上手いなぁと感じることがあります。
今回は、コーチング技術を用いて、自分を超える方法について考えてみます。テーマは成長と貢献です。
ヒトが抱える4つの基本的欲求
多くのヒトが持つ代表的な欲求には4つあると考えられています。
・安定の欲求:安定したい、このままを続けたい
・不安定の欲求:変化が欲しい、非日常を味わいたい
・重要感の欲求:特別な存在でありたい、人とは違うことをしたい
・繋がりの欲求:みんなと同じがいい、友達が多い方がいい
特に、安定感は最も多くの人が無意識に必要とする欲求です。
ポジティブ面:自信や一貫性、コントロール感を生み出し安定や快適といった感情につながる
ネガティブ面:成長を嫌ったり、人の意見を無視したり、過信や退屈といった感情につながる。
一番の問題は、複雑な世界において安定や確実性が保証されているところなど何もないということです。
不安定感を求めるニーズは、
ポジティブ面:刺激的な冒険や出会い、新しい仕事や交友関係をもとめ、ドキドキした感情につながる
ネガティブ面:好奇心からアルコールやドラッグ、マルチ商法などにつかまる危険性がある
ヒトは完全な安定の中には存在できません。毎日同じ生活を繰り返すことは本能的に難しいので、時々非日常の体験を求めるのです。
実際に、安定と不安定は両方同時に存在することはありません。
多くの人は安定に傾き、時々不安定の欲求を満たす生活をします。
特に、資格を得て活動する職業であれば、資格という安定をベースに生活が成り立っているので、不安定を嫌う傾向にあります。
人生の質は、あなたが居心地の良さを感じる不安定感の量に比例する
つまり、居心地がよいと感じられる程度の不安定感の領域が多くなればなるほど、人生の質が高くなるということです。
この感覚を若いうちに身につけておくことは変化の激しい時代において重要です。
残りの2つを説明します。
重要感の欲求は、自分には価値がある、特別な存在でありたいとする欲求です。
ポジティブ面:学歴や職歴、新しいスキルや知識、独自性や個性につながる
ネガティブ面:他者を批判したり、物質的な所有や学歴を追い求めたり、傲慢や支配、孤独につながる
重要感を持つ際に大切なのが、個人のエゴを極めて小さくすることです。
繋がりの欲求は、愛されたい、人とつながりたいというヒトの究極的な欲求です。
ポジティブ面:家族や友人、恋人との繋がりを求め、芸術や美を追求する
ネガティブ面:自己犠牲をしたり、病気や怪我をして同情を引こうとしたり、犯罪を犯したりする。
繋がりの持つ際に大切なのは、条件付きのつながりではなく、無償のつながりを求めることです。
ほとんどの人が、何かの行動をしたときに、その見返りとして繋がりや愛情を求めます。そのため、繋がりの欲求が大きくなればなるほど、相手への期待も大きくなることとなり、返ってこない場合には、欲求が満たされなくなります。
重要感と繋がりの欲求も同時に存在することが難しいものです。重要であろうとすれば、孤独になりやすいですし、繋がりを求めると独自性は出しにくくなります。
結局のところ、
この4つのニーズのバランスを求めようとしてしまいます。
本当に大切なのは2つの欲求
もう二つヒトには欲求があります。
それが
成長と貢献です。
この2つの欲求はバランスを取る必要がありません。
成長を求めるニーズと貢献したいというニーズは、自然界に目を向けたとき、その営みを完璧に行なっています。
なぜなら、自然界では全ての生物が成長し、自分以外のものに何らかの貢献をしているからです。
前回の記事でも書きましたが、20代でやっておきたいことに研究や地域貢献を進めるのはこうした理由があります。
成長や貢献の欲求は、バランスを取る必要がないので、心の充足感を満たしやすいメリットがあります。
成長や貢献を一つの指標にして、新しいことに取り組むことは大切です。
自分を超えるということは、いかに成長して、いかに貢献していくかを考えることでもあります。
この考えを若いうちから知っておくことで、世界の見方は変わってくると思っています。
【Refference】
How to Master Your LIfe. Peter Sage Diamonds publishing. 2011
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子供達や地域に貢献することはどれだけ成長できたかイコールですよね。
社会貢献は大人への成長と自分も言ったことを思い出します。
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