結論から言うと、筋トレはした方がいいです。
成長期の子供たちにレジスタンストレーニング(ウエイトトレーニング)を行わせてもいいのかどうか?という質問は多く寄せられます。
最新の知見をまとめて紹介していきます。
筋トレは推奨される時代に・・
適切な処方と監督下で行なわれるレジスタンストレーニングについては、子どもや思春期の若者に顕著な恩恵をもたらすことを示唆する報告が相次いでいます。
医学やスポー ツなどの専門的な組織において、条件付きではありますが、青少年へのレジスタンストレーニングを正式に受け入れています。
身長が伸びなくなるのでは??
一般的な言説として、ウエイトをしすぎると身長が伸びないと考える指導者や保護者がいます。
この説は、完全に否定されています。
子どもと思春期の若者の身長の伸びに対する、レジスタンストレーニングの有害な影響は見られなかった
NSCA Position Statement
ウエイトをして、身長が伸びなくなったという証拠は一つもありません。
成長軟骨とかにも悪影響があるのでは?
子どもと思春期の若者は両者とも、成長軟骨の傷害を受けやすい時期です。
しかし、思春期前の子どもの成長軟骨は、実際にはかなり強く、剪断力に対する抵抗力があるため、このタイプの傷害が発生する危険性は、思春期の若者よりも少ないと考えられています。
現在まで、青少年のレジスタンストレーニングに関する前向きな研究においては、成長軟骨の損傷は1件も報告されていません。
さらに、レジスタンストレーニングが幼年期および思春期の発育や成熟にマイナスの影響を与えることを示唆する証拠は報告されていないのです。
逆に
レジスタンストレーニングは青少年の未熟な骨格にとって有害であるという従来からの懸念がありましたが、
最近の報告では、幼年期や思春期は、荷重負荷に反応する骨の形成と再形成にとって、最適な時期である可能性があります。
何歳から始めて大丈夫か?
5−6歳から初めて大丈夫!
大多数の研究の参加者においては、幅広い年齢が含まれるが(7 歳から12歳)、一番年少であれば5歳と6歳の子どもでもレジスタンストレーニングプログラムへの定期的な参加によって利益を得たと報告されています。
どういうトレーニング内容か?
レジスタンストレーニングは、負荷をかけたトレーニングのことです。
一般的には、幼少期は自重(自分の体重を使う)トレーニングが知られていますが、ある程度の負荷をかけると効果的であることがわかっています。
研究で行われているレジスタンストレーニングの種類は・・
- 成人用・子供用のウエイトマシン
- フリ-ウェイト
- 油圧式・空気圧式マシン
- メディシンボール
- エラスティックバンド
- 等尺性筋力マシン
- 自重エクササイズ
ウエイトマシンやメディシンボールなど、一定の負荷をかけても大丈夫であると考えられています。
子どもにおける、トレーニングによる筋力の向上は、筋肥大よりも神経系のメカニズムに大きく関係していると思われます。
何に気をつけるのか?
・有資格者による指導と監督を提供する
・セッションの始めに 5 ~ 10 分の動的ウォ-ムアップを行う
・軽い負荷から始め、常に正しいテクニックに重点をおく
・腹筋と背筋の強化を目的としたエクササイズを取り入れる
・筋の対称的な発達と関節周りの適切な筋バランスを重視する
・筋力の向上に伴い負荷を徐々に(5 ~ 10%ずつ)増加する
・比較的低強度の柔軟体操と静的ストレッチによるクールダウンを行う
まず軽い負荷(ウェイトをつけないバーベルなど)を使ってエクササイズの方法を学び、次にテクニックを損なわずにより重い負荷を挙上するように、徐々に強度か量、またはその両方を漸進させていく。
子どもや思春期の若者は、隔日で1週間当たり2~3回の頻度で、レジスタンストレーニングを行うことが推奨されている。
子どもが筋トレをする理由・・
筋力は運動スキル機能の重要な決定因子であるため、幼少期に筋力を発達させて運動スキルのトレーニン グを補強することは、きわめて重要であると考えられています。
レジスタンストレーニング を用いて筋力をさらに強化することにより、身体パフォー マンスが向上し、スポーツ関連傷害のリスクが低下するという報告があります。
トレーニング研究レビューにおけるメタ分析によると、レジスタンストレーニングにより生じた運動スキルの向上 は、思春期前と思春期初期の若者のほうが思春期の若者よ りも約50%も大きかったと報告されています。
この事実は、子どもの運動スキルにおけるトレーナビリティの大きさを強調しています。
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昔から筋トレすると、身長が止まる!という迷信がありました。根拠のない話!
ただし、頻度、負荷を間違えると怪我に直結するので、注意が必要ですよね。