スポーツマッサージはトレーナーの必須技術の1つですが、科学的にその効果が検証されている報告は数多く存在します。
今回は、スポーツマッサージの効果について整理していきます。
主観からは逃れられない
マッサージ研究の一番難しいところは、心理的な影響です。
そもそも、選手やコーチはマッサージをすることによって、疲労が回復し、パフォーマンスが向上すると強く信じています。
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ヒトの身体は、期待した通りの反応をするようにできているので、
“マッサージ=気持ちいい” という図式が出来上がると、これを客観的に示すことは容易ではありません。
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科学的に言われていること
そんな中でも、科学的にマッサージの研究は多く報告されており、その研究成果をまとめたレビューがあります。
その結果は・・
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という結果です。
実際には、身体を柔らかくしたり、激しい運動後の筋肉痛を緩和する効果については科学的に明らかになっています。
一方で、マッサージを行うことによってパフォーマンス自体が向上したり、疲労の指標(乳酸除去)などが、改善することは少ないのが実状です。
パフォーマンスに影響するマッサージは・・
マッサージに関しては、ストレッチと同じような性質が一部存在します。それは、静的なストレッチのようにゆっくり時間をかけて行うとパフォーマンスが下がってしまいますが、短時間であれば効果的ではないかということです。
実際には・・
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短時間のマッサージで、短時間の効果を見込むのであればパフォーマンスに良い影響を与えそうだということです。
効果的なのは高強度の運動後・・
最も効果的なのは、高強度の運動後の効果です。
効果としても、マッサージは主観的な筋肉疲労を改善する効果が高いので、高強度で心身ともに疲労している状態のほうが、効果が得やすいとも言えます。
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マッサージよりも大切なこと
マッサージの効果は、トレーニングを受けていない被験者のほうが効果を得やすいです。実際に、トレーニングを受けていない人のほうが、高強度になりやすいためより効果を感じやすいとも捉えることができます。
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マッサージには、筋肉を柔らかくしたり、筋肉痛を除去する効果がありますが、
疲労を回復するために必要なものとしては・・
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アクティブリカバリーです。
つまり、運動後に軽い運動を行う(クールダウン)ことが科学的に疲労を除去できる方法と考えられています。
目安としては、10分程度の有酸素運動(ジョギング、バイク、スイミング・・)などを中心に行うと良いでしょう。
マッサージも主観的な疲労をとるための有用な方法ですが、自分でしっかりとクールダウンを行う習慣を身につけることが先のようです。
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