動作分析のコツ

理学療法士の得意分野の1つに“動作分析”というものがあります。

ヒトの動きを観察して、その動きから原因を推測するというものですが、出来る人にはできますが、出来ない人にはできないという不思議な能力でもあります。

よく実習中の学生に「動作分析ができないんだよねぇ」と言う指導者がいらっしゃいますが、
たしかに教えるのが難しいスキルの一つでもあります。

動作分析の能力を育む方法を考えたいと思います。

動作分析の基礎を育む方法は、『パターンを教え込む』ことです

練習として、用いやすいのは “寝返り” です。

寝返りは普段何気なく行なっている動作ですが、多くのパターンが存在します。
例えば、頭から動き出す、足から動き出す、上肢から動き出すなど、動き出しが異なります。さらに、動きの流れとして上半身から下半身に連動していくタイプと逆に下半身から連動するタイプ、丸太様に同時に動くタイプなど動きの連鎖の方法にも違いがあります。

動作分析は、まずどういうパターンがあるかを知っていれば見ることができるようになります。スポーツ動作におけるknee-in(膝が内側に入る)などはその典型です。

また、寝返りから起き上がりまで分析すると左右差や筋力も推測できます。
例えば、背臥位から真っすぐに起き上がって立つ場合には、腹筋の筋力がないと動作は出来ませんし、左右の癖が少ない動作になります。一方で、肘をついて片側から起き上がる際の体幹の使い方をみることで、体幹の回旋がスムーズかどうかを判断することも可能です。

基本動作をみるチカラは、普段から養っておきたいスキルの一つです。

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