資産運用といってもお金の話しではなく、考え方のお話しです。
アスリートのキャリアを考える中で、その能力を資産と消費行動に置き換えて展開することが可能です。
- 身体的資産
- 認知的資産
- 文化的資産
3つの資産について、簡単に説明します。
身体的資産
身体的資産は、文字通り身体を使って生み出す価値のことです。筋力や持久力だけでなく、技術的な面も含めてアスリートの資産のほとんどが身体的資産で構成されるのが一般的です。
認知的資産
認知的資産は、アスリートの頭の中にある資産とも言えます。競技に関する知識的な部分に加えて、選手自身の考え方や技術や戦術を言語化できる能力もこちらに入ります。
文化的資産
文化的資産は、環境や家族構成、社会経済的な資産をここに入れます。選手自身に影響を与える外的な要因全般を指すと理解してください。
この3つの資産をもとにアスリートは、生涯をかけて自らの資産を運用していかなければなりません。
消費行動
アスリートにおける消費行動とは、自らの資産を使う行動全般を指します。アスリートの競技生活において消費行動の中心は、大会になります。
その他、社会活動や講演活動、ビジネスなど様々なものがあります。
資産をインプットだと捉えると、消費行動はアウトプットになります。
資産を増やす方法
身体的資産は、日々のトレーニングによって増えていきます。この資産を増やすために、できる限り効率的なトレーニングを考えていく必要があります。パフォーマンス向上のトレーニング科学だけでなく、障害予防のアスレティックトレーニングなどの方法も身体的資産を守る上で重要です。
認知的資産は、日々のトレーニングだけでは増えていきません。自らの競技に関する内容やトレーニングについて勉強し、考えることによって増えていきます。
この資産は、身体的資産を増やすために使われますが、指導側に回ったときに消費行動に使うことができます。個々の大会自体の消費行動にはあまり使えません。
文化的資産は、環境的な部分なので様々な方法があります。
例えば、スキーやスノーボードなどの冬季競技を目指す場合は積雪に近い環境にいるほど、文化的資産が高い状態です。カヌーやボートであれば湖や川の近く、サーフィンであれば海の近くにいれば、資産は高くなります。
また、経済的に有利な家庭であれば、良い道具が揃えられますし、良い練習環境を準備することができます。
資産運用とは…
アスリートは、この各々の資産を使ってどのように消費行動をとるか考えていく必要があります。
長期的で、多角的なビジョンを持っているか、いないかでキャリアプランが大きく変わってきます。
甲子園の球数投げすぎ問題や箱根駅伝の是非についても、資産と消費の観点から考えることができます。
次回は、様々な角度からスポーツにおける社会問題を考えていきます。
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