緊急事態宣言が出ていても、コロナの感染で世間が騒いでいても、それに関わる記事をほとんど書かない理由は、たった一つで、
消費と投資の違いです。
消費 = 一度使ったらなくなってしまうもの
投資 = 今後も使える可能性のあるもの
例えば、コロナウイルスに関する内容を書いた時に、その記事はコロナウイルスが収束したころには、ほとんど読まれることはありません。
一方で、普遍的な内容や自分が考えている思想については、数年先も読まれる可能性があります。
この消費と投資の考えは、非常に重要ですが、多くの人はそんなことまで考えません。
消費と投資の思想の違い
消費の一番のメリットは
すぐに快楽を達成できることです。
単純な話で、美味しいものを食べたり、お洒落な洋服を買ったり、車を買ったりすることは一般的な消費活動です。基本的には、生活の質を高めるために消費活動が行われています。
一方で、投資とは
今後役に立つ可能性がある活動です。
例えば、美味しい食べ物を食べ尽くして、ブロガーやライターとして仕事のネタとして活動する場合には、食事は消費ではなく投資活動になります。
お洒落な洋服を買うことも、デザイナーやスタイリストなど、洋服にまつわる人には投資になります。
投資は重なっていくと、資産になります。
自分が日々おこなっている活動を投資として捉えて、資産を増やしているかどうかが、けっこう重要です。
緊急ではないけれど、重要なこと=投資
“7つの習慣”という著明な書籍がありますが、その中に緊急ではないけれど、重要なことに時間を割くことについて触れています。
多くの人は、日々の仕事に追われて1日が終わってしまうので、重要で緊急な仕事が大半を占めています。しかしながら、日々の仕事は消費と投資の区別が難しいので、長期的にどうなるかは時間の流れに任せるしかありません。
例えば、毎日板書を書いて授業をしている教師がいたとすれば、自宅学習でオンライン教育に切り替えられるとスキルが追いつきません。一方で、普段からITをいじっている若手の教師にとっては、オンライ教育の流れが後押しとなり、メインプレイヤーが数日で変わってしまうことが起きるようになります。
日々の仕事だけでなく、時代の流れや今後の動向を含めて、緊急ではないけど重要なことに時間を割いておくことが必要です。
その意味でも、研究や地域貢献は普段病院だけで治療している理学療法士にとっては重要な仕事なのです。
何をやっておけばいいですか?問題とは・
消費行動の学生がよく口にするのが
何をやっておけばいいですか?
です。
この台詞には、“私は最低ラインとして、この程度やっていればOKですよね”という意味が含まれています。
つまり、最低の労力で最大の効果を得ることを目的としているのです。
これは、消費思想の典型です。消費者は、いかに安くより良いものを買うかをいつも気にしています。この思想が根付くと、短期的には得をするかもしれませんが、長期的な発展は見込めません。
人の投資活動というのは、いつどのタイミングで役に立つのか、成果が出るのかはわかりません。
最もわかりやすいのが、勉強
この消費と投資の意味合いが最もよく分かるのが勉強です。
勉強して何の役に立つんですか?
と聞かれた時に何と答えますか?
勉強が投資的な活動であり、その意味が分かるのは常に事後的です。勉強が役に立つかどうかは後になってみないとわかりません。ただし、常に意味があると思って取り組める能力こそが、一般的に“努力”と呼ばれるものかもしれません。
福澤諭吉は 学問のすゝめ で有名な言葉を残しています。
福澤諭吉が学問を薦めた理由は、平等な社会の実現ではなく、人間的な豊かさを願ってのことなのです。
監督や上司に、何やっとけばいいですか?と聞くような人が成長することはありません。
自分で監督や上司の意図を汲んで、自分の成長のために投資的な活動を意識したいものです。。
千田琢哉:20代の勉強力で人生の伸びしろは決まる。日本実業出版社。
内田樹:下流志向 学ばない子どもたち働かない若者たち.講談社
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