本質を探るシステム思考・・

個人的に好きな問題解決の方法があって、システム思考というものがあります。

システム思考とは、解決すべき対象や問題を「システム」として捉え、多面的な見方で原因を探り、問題解決を目指します。 

システム思考とは、社会全体(組織)をシステム、つまり様々な要素の相互作用であると捉えて、真の問題や課題を明確にすることで根本的な解決策を探る手法。

「システムとして捉える」とは事象を全体的に見ることであり、そのつながりや相互作用に着目し全体的に見ることを指します。

「木を見て森を見ず」という言葉がありますが、「木も見て森も見る」のがシステム思考である。

根本的な問題がどこにあるのか?

日常生活においても問題はたくさん起こってくるわけですが、問題を捉える時にその問題が発生している背景を捉えてみようということだと解釈しています。

構造的な問題は・・

例えば、マイナー競技の団体が運営で上手くいかないケースはどこの団体でもあります。

上手くいかないほとんどのケースは、競技者と指導者と経営者の違いが大きな壁となります。競技者や指導者は、アスリートファーストですが、組織の運営は経営者視点が必要です。

競技団体の成否の中心は、選手が結果を出しているかどうかにかかっています。

一般的な会社であれば、組織の運営に関しては、マネジメント能力が長けた人が高額の報酬をもらい行われます。しかしながら、マイナー競技の団体はどこも金銭的な余裕がないので、内部の権力者がマネジメントするしかありません。しかも、競技団体なので、組織内で認められるには相応の競技成績が必要になります。

そのため、スポーツ団体で上手くいっているケースというのは、五輪のメダリストでマネジメント能力に長けたトップが存在している団体がほとんどです。マネジメント能力だけでもダメで、競技成績だけでもスポーツ団体は上手くいかないという根本的な構造が根っこにあるということです。

柔道の山下泰裕JOC会長、水泳連盟の鈴木大地会長、フェンシングの太田雄貴会長など成功した競技のトップは実績とマネジメントが備わっているケースが多いのです。

根本的な問題がここに一つあるのです。

他にも、役員がボランティアで行なっていることや新しい理事が入りにくい構造など、制度上の問題が根強いことがシステム上の問題としてあるのです。

子どもがクズったら・・

問題は何でもいいのですが、例えば子どもが欲しい玩具があったとして、売り場でグズって動かないケースを考えてみます。

このケースで、実際にどういった対応をとりますか?

基本的には、子どもは動物と同じなので感情が優先されます。

欲しい獲物があれば、闘いますし、横取りしますし、感情を露わにするのは動物として正常な反応です。

ここで取りがちな対応は、怒りに怒りをぶつけて力で捻じ伏せる方法です。

この方法は、お互いにとってエネルギーを使う方法なので大変疲れます。

こうした問題は、完全に脳のシステムの問題です。

感情や論理は、脳の機能の問題なので働きを考えることで、コントロールすることが可能です。

感情を露わにした場合に、感情で対抗するのは疲れるだけなので、何をするかというと

感情を包み込みこむことが効果的です。

ギューと抱きしめてあげて、

“ごめんね、買ってあげられないんだ・・” 

怒ってはいけない ということ

これは、親の脳のトレーニングなので、慣れるまでは大変です。ただし、子どもが駄々をこねるのも、数十分の問題です。後々、残るのが自分の感情を受け止められたかどうかということです。

感情は受け止めて、時間をかけて処理することが最適です。

根本を探る

2つの例を挙げましたが、

・マイナー競技団体の運営が難しいのが、実績とマネジメントの両方を備えたトップが必要であるという構造上の問題がある。

・子どものグズりには、脳の構造上の問題が根っこにはある。

という、違った見方で問題を捉えるということです。

構造の問題が明確になれば、アプローチの方法を考えることができます。

単純に起こっている問題に不平不満を言うのではなく、問題の本質を探って変化を与えることが面白いのではないかと思います。

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