子どもの怪我を減らす戦略

子どもの怪我を減らそうとする場合に、多くの人が考えるのは部活動でストレッチや障害予防プログラムなどの特定のトレーニングを取り入れようとします。

しかしながら、この方法は社会全体から考えると最適な戦略とは言えません。

今回は、選手でも指導者でもなく、政治家目線で考えるならどのような戦略をとるかを考えてみます。

誰が一番怪我をしているのか?

どんな仕事もそうですが、自分が立てた戦略に対して最大限の効果を発揮させようとするのであれば、ターゲットを明確にする必要があります。

誰に、いつ、何を、どのように与えることが効果的であるのかを考える必要があります。

まず、子どもの怪我といっても実際には部活動でのスポーツ障害だけでなく、体育の授業中での怪我、登下校中の事故、休暇中の怪我など、その内容は多岐に渡ります。

よく考えればわかりますが、運動能力の高い子どもが激しい運動をしているときに生じる怪我と運動嫌いで運動能力が低い子どもが通常の運動をしているときに生じる怪我では、どちらが怪我をする確率が高いでしょうか?

そのため、物事を考えるためには様々な視点が必要です。

一番怪我をしているのは・・

まず、一つ言われていることは

習慣的な運動を行なっていない子どもは怪我のリスクが高いことです。

さらに、言えることは学校での先生の監視下にある状態での運動よりも、余暇活動(休暇中)の事故の方が社会全体で見ると医療費がかかっています。

様々な報告で明らかになっているのは、身体活動量が低く、運動能力が低い女の子の怪我が、実は大きな問題の中心にあるということです。

実は、この層をターゲットにした障害予防の研究は世界中を見渡してもほとんどありません。

障害予防や転倒予防など予防活動が社会的に成功したと言えるのは、国民全体の医療費を削減できているかどうかです。大きな視点で考えたときに、それ以外に正当な評価の指標はありません。

効果的な障害予防とは・・・

こうした背景を考えて、政策を出すのであれば、学校全体で身体活動向上と障害予防の要素を掛け合わせた取り組みが社会的には最も効果的な戦略です。

世界的にみても学校現場で障害予防の取り組みを行なっている国はほとんどありません(カナダのカルガリー大学を中心に近年活動が報告され、効果が検証されている)

目の前に一人一人に対して障害予防を行うことも大切ですが、より大きな視点で取り組むことも考える必要があります。

障害予防を俯瞰した視点で考えてみうよう!

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