一流選手のプレーは何度見ても気分の良いものですが、動きの滑らかさには全て理由があります。一つ一つのプレーを要素に分解して、徹底解剖してみます。
ダブルタッチをスロー映像で動作分析
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ダブルタッチの3フェーズ
・相手を誘い出すボールコントロール
・重心移動と足首の使い方
・自分の足元のスペースにボールを引き込む
・セカンドタッチのためのボール速度とボールの位置
・ボールの速度を吸収する足首の使い方
・ボールの方向とスピードを変える足首の使い方
・ボールを運ぶ足の使い方と踏み込み足の使い方の切り替え
・セカンドタッチ後の支持脚の動かし方
・支持脚の力を最大限発揮するポジション
ファーストタッチの技術
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ファースタッチの凄さはスロー映像で分析しないと分かりません。実際にボールを側方に動かしているだけに見えますが、様々なテクニックが詰まっています。
相手を誘い出すボールコントロール
一般的な選手の場合
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イニエスタ選手の場合
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ボールを絶妙な位置に転がすことによって、相手の足を出させます。相手の動きに合わせて、足首を内側に捻り(内返し)することで、ボールをやや手前に引いています。ボール1個分の動きですが、相手のギリギリ届かないいちにコントロールすることができています。
自分の足元のスペースを使う
一般的にはボールを斜め前方に運んで勢いをつけて抜き去りますが、相手の足に引っかかることがよくあります。
一般的な場合
抜こうとしても相手の足でブロックされる。
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イニエスタ選手の場合
ここで、イニエスタ選手はどうしているか
股関節を使ってボールを前方に運ぶのですが、相手の足が出そうな瞬間に足首を使ってボールをやや手前に引くことで、自分の身体の下のスペースを利用することで、ボールを運ぶスペースを確保しています。
スロー映像で確認すると、ボールを転がした右足は、バックステップを踏むような形となっています。こうすることで、ボールを手前に引いてスペースを作りつつ、同時に右足は後方に引いて踏み込みの準備ができるため、次の動作に移りやすくなります。
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重心移動を使ったボールコントロール
ボールを動かす際に、重心を左に流しながら右足で操作しています。重心移動を使うことで、右脚の力を使わない状態でボールを運べます。この利点は、右脚を違う方向に動かそうとした時に自由に方向を変えることができます。
膝の下を動かしてボールを手前に転がすこともできますし、左脚で踏ん張って切り返すことで、アウトサイドを使って逆方向に行くこともできます。
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セカンドタッチしやすい場所へのボールコントロール
ファースタッチのボール速度とボールの位置によって、セカンドタッチの質が大きく変わります。近すぎるとボールは相手に取られてしまいますし、遠すぎるとコントロールできません。
また、ボールの速度が速すぎるとセカンドタッチが追いつかないですし、遅すぎると相手を抜くことができません。
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セカンドタッチの技術
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イニエスタ選手のセカンドタッチは、一旦足首を外に開いてから、内側に動かしています。これは、ボールの勢いを吸収させながら、次に進む位置にボールを運ぶために行っています。
多くの選手は足首を固定させて、ボールを当てるだけで前に動かしますが、イニエスタ選手はこの状況で足首の動きだけでボールの速度をコントロールすることが出来ます。
このプレー速度は異常です。
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さらにプレー速度が尋常ではないのが、足首を一旦内側に入れてボールを動かした後に、支持脚として踏ん張るために足を外側にもう一度開いて着地していることです。
足を外に開いて → 内側に閉じて → さらに足を開く
この動作をセカンドタッチ全体を通じて行っているのです。
普通の選手は足首を固定させたまま、ボールを当ててそのまま踏ん張ります。そのため、足首がここまで内外に動くことはありません。
一流選手は、この一瞬の間に足首が猛烈な速度で動いていることになります。
セカンドタッチ後のアプローチ
セカンドタッチの後に、足を外に開いて、足首を外側に捻り、股関節を外旋させた状態で踏ん張って前方への推進力を得ています。
股関節を外旋させた状態で支持すると、大臀筋が効率よく働きます。
この身体の使い方によって、側方の移動速度を前方への推進に変化させています。
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さらに、ボールの置く位置が絶妙なので、ボールタッチしたすぐ後に支持脚で踏ん張って進むことが可能となっています。
これが、少しでもズレると前方への推進は得られないか、タッチラインを割ってしまうことになります。
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