股関節か足関節か?
サイドステップやカッティング動作など、左右に急激に方向転換をする際に求められる機能とは何でしょうか?
横方向の力に対抗して踏ん張るためには、大きく2通りあり、股関節を外に捻って踏ん張る方法と足関節を外に捻って踏ん張る方法があります。
私たちの下肢はバランスを取ったり、姿勢をコントロールしようとする時には、足関節(足首)か股関節(お尻周り)を中心に動きを調節しようとします。
股関節と足関節の制御には、それぞれ特徴があります。
① 股関節方略 Hip strategy
= 大きい力で制御、制御が粗く、大きい重心動揺に対応
②足関節方略 Ankle strategy
= 小さい力で制御、制御が細かく、細かい重心動揺に対応
これら2つの方略の関係は、身体に加わる力の状態と、自らの重心の状況、筋力や神経速度などの対抗できる能力によって変化します。
例えば、速い速度でドリブルを切り返そうとした場合には、股関節を優位に使わざるを得ません。
また、股関節だけでは支えきれない場合、足関節も外に捻って踏ん張らなければ切り返しの力に対抗できない場合もあります。
股関節の動き
足関節の動き
足首を分離して動かせるか?
どちらの方略が良いという訳ではなく、状況に応じて、使い分ける必要があるのですが、個人によって使い方が変化してきます。
例えば、下図のように足関節だけを外側に捻る運動をしてみます。
足関節だけを動かしている
今度は股関節だけを外に捻ってつま先を外に向けます。
股関節だけを動かしている
股関節を外に開けない人は少ないですが、足関節だけを外に開けない人は意外にいます。特に、足首の捻挫後の後遺症の一つとして、起こることが多いです。
股関節や足関節だけを個別に動かすことを分離した運動とも言いますが、各々の関節がどの程度分離でき、どの程度の速さで動かせるかを確認する必要があります。
何が問題か?
激しくサイドステップやドリブルを繰り返す競技になると、股関節の力を使って踏ん張るため、足関節が分離して動かないケースがみられます。
その状態が続くと、素早い左右の動きに対して足首が分離して動かすことが難しくなってしまします。
足関節周りと股関節周りの力や動かせる速度を確認して、下肢のコントロールできる能力を把握する必要があるのです。
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