一流セミナー講師 ≒ 新興宗教の教祖??

セミナー講師として、話す機会をいただきますが、専ら参考にしているのは

宗教 と 哲学です。

ヒトがハマる仕掛けが満載です。

ヒトが手技にハマる理由や人気講師の原理原則は、根本的な技術に加えて、プレゼンテーション能力やコミュニケーション能力も必要ですが、もっと奥の深いところを抑えておくと理解しやすくなります。

人間の文化的背景を元に、全ての社会経済活動は成立しているので、教養としての宗教や哲学は必須です。

一流セミナー講師の作り方

前回の“日本のセミナーが宗教っぽいという理由”から、今回はこの原理を応用してセミナー講師の立場で解説したいと思います。

反社会的な活動としての立ち位置

一流セミナー講師として、大切なのが反社会的な活動です。

これは、別にヤクザやそちらの人たちの話ではなくて、社会的には認められていないけど、その考えはあるよね という活動を指します。

キリスト教について考えてみます。キリストが生まれた社会では、日曜日は安息日とされていて働いてはいけない規則でしたが、実際にキリストは日曜日でも病気の人を癒していました。また、穢れた職業の人や蔑まれていた娼婦などにも分け隔てのない態度で接していました。

 このような活動は現代の感覚としては正しい行いです。しかし、当時としてはとてつもない反社会的行為と考えられていました。

そして、徐々に社会的な弱者を中心に支持者が増え、キリストは彼らの精神的支柱となって行きますが、当時の権力者にとっては、既存の掟に従わない反社会的異分子と見なされていたと考えられます。世界的宗教もはじめは、大きな力(政府など)に対抗する新興宗教だったのです。

この構図は、現代医療にも当てはまります。一般的な治療が社会的な力だと考えれば、セミナーで行われる治療は大概が反社会的です。

例えば、エビデンスに基づく運動療法の講習会よりも〇〇先生の特殊テクニック実践セミナーの方が圧倒的に集客が見込めます。

病院や医療制度という枠に対抗することによって、カリスマ講師は誕生するのです。

根拠のない自信

一流講師は何があっても、自分の信念がブレません。一流講師の条件は、真理を悟ることにあります。

私は、これで全てが治せる!

という疑いなき自信が必要です。

医学的に正しいかどうかよりも自信を持っていることが必要です。

なぜなら、知識・技術に関わらず自信を持っている治療家の方が治療効果が高いからです。

また、自分の治療に絶対的な自信を持っていることも必要です。

治療者自身が、提供する治療に自信を持っている方が治療効果が高いことがわかっているのです。

こうした事実から、医学的に正しいかどうかよりも

自分の技術に絶対的な自信を持ち、対応することによって治療効果の高い状態を作り出すことができるのです。

自信のない日本人は相手にしやすい

セミナーが流行る前提として、絶対的な自信が必要なのですが、これは日本人が相手になると抜群の効果を発揮します。

日本人は世界的にみても自分の仕事に自信を持てない特徴があることがわかっています。

【世界22カ国調査】最も仕事に自信が持てない・運任せなのは日本人https://www.businessinsider.jp/post-207468

これは、セミナー講師にとっては重要な知見です。自信がない人達を相手にするので、自分に自信を持っている人は羨望の眼差しです。

自信があるように魅せるのは非常に簡単です。

声を大きめに、胸を張って、目を輝かせる

この3つさえできれば、外見から自信があるようにみせることができます。

客観的には明確にできない理論を体系化する

技術系のセミナー講師として、流行らせるためには、ちょうど手が届かない範囲の知識を提供することが大切です。

みんなが知らなかったけど、何となく理解できるもっともらしい理論を構築することが大切です。

人間は自分の知らないことに対して、次の異なる2つの反応を示します

① 恐れや不安を抱く

② 期待や希望を抱く 

極端な例が、末期ガンの患者に対しては、現代の医学的知識をもってしても救いようがない場合があるとします。

医学的に解明できないこと ≒ 客観的にはわかっていないこと になりますので、

もしも、その患者を救う手立てがあるとすれば、本人が理解できないような訳の分からない内容であっても期待や希望を抱きたくなるものです。

患者自信が期待している状況を作り出すことによって、治療効果は上がるのです。

治療効果を高めることに成功したら、徐々に信者を作ってコミュニティを形成していく必要があります。

信者の一体感を高める場所作り

 結束力を高める具体的な方法は、日常生活の中で一定のルールを作ることです。宗教においては、日曜日に一定の場所(教会)に集まってお祈りをするとか、食べ物や服装に制限をつけたりすることがこれに当たりますが、セミナーでも同様の手法が使えます。

実際に、これを実践するためにはどうするか・・

・定期的な勉強会を開催する

・同じコミュニティのグッズを作成する(ポロシャツ、アクセサリーetc)

信者はこうした行為により、自分が特別な価値を持ち、自身のアイデンティティを確認できる喜びを得られるような構造になっています。

一定のコミュニィが一堂に会したり、同じルールのもとで時間を共有することによって結束は強くなります。

自分には同じ価値観を共有する仲間がいることや、自分の居場所があるというのは、強烈な安心感を得ることに繋がります。

実際に自分に自信が持てない場合に、自分が所属するコミュニティの力を借りて自信をつけることができます(ハロー効果)。

これは非常に効果的な手法です。

必ず敵を作る

集団の結束を高めるためには、必ず批判してくる敵が必要です。コミュニティの批判は集団の力を強めるために強く作用することがわかっています。

そのため、理論を構築する時には科学的に批判される余地を残しておくことが必要です。

客観的にみて、それっておかしいよね という部分がある方がツッコミやすくなるのでその分コミュニティの結束を強くすることができます。

あえて批判されるように設計できると効果的です。

肯定的メッセージで信者をハッピーに・・

コミュニティで使う言葉は、必ず肯定的なメッセージが大半を占めるように使う必要があります。また、セミナーの実施中にも相手が自信を持てるような声かけを欠かさないようにします。

実は、人気のセミナー講師はメッセージの伝え方が秀逸です。

言葉の選び方はファンを獲得するために非常に重要な要素です。

特に、一定層のコアな女性ファン(信者)を獲得することが何よりも重要な要素です。

女性は男性よりも、共感能力が高く、口コミで情報を拡散してくれやすい特徴があります。また、女性ファンが多いコミュニティや講習会は、男女問わず参加できるため、規模を大きくしやすい利点があります。

このように、一流講師を客観的に分析して、そのエッセンスを真似することで、自分に有利な環境を作ることが大切です。

最も重要なことは、人をハッピーにすること

宗教でもセミナーでも、何でも同じですが、すべては人をハッピーにすることが目的です。

理論的に欠点があろうが、科学的に検証が不可能であろうが、その治療や講習を受けている人がハッピーであれば、誰も損はしていません。

ある程度の人気セミナーになると、宗教化扱いされて、一部の人達から毛嫌いされることもありますが、一流セミナー講師になるためには批判を受け止めて突っ走る勇気が必要です。

最も必要なのは、嫌われる勇気‼️

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です