動作のコツを科学する

Muscle synergy のアスリート応用

筋シナジー(muscle synergy)は、力をいれる方向とタイミングが最適化された状態であることを説明しました。

筋シナジーが理解できることは、動作のコツが可視化されることを意味します。

今回は、体操の大車輪(Giant swing)の研究を例に具体的に話していきます。

体操の大車輪は、鉄棒競技の基本技であり、鉄棒を把持しながら一回転していくものですが、単純な動きでありながら初心者には極めて難しい動作です。

この動作を獲得し、円滑に何回転もするためにはコツが必要です。

そのコツは、3つのポイントで説明できます。

  1. 下肢を重力に逆らって大きく振り上げること (synergy1)
  2. 頂上付近で逆立ち姿勢を安定して保つこと (synergy2)
  3. 下降期に身体を反らせて、振り上げの準備をすること (synergy3) 

各々の活動のために必要な筋肉とタイミングは図で説明することができます。

このように、体操競技をしたことのない超ど素人でも、どのタイミングでどの筋肉達を使うことで大車輪ができるようになるかを説明することはできるようになります。

もちろん、実際にこれを実行することは全くの別問題ですが、

科学的知識をもとにコツを言語化することが可能です。

筋シナジーの研究は現在の神経科学の流行でもありますので、今後様々なスポーツ動作が解析されていくことと思います。

1 COMMENT

Kazz

コツを具現化する事は大事です。長島さんじゃないから、思いと実績、感覚だけではなく、
それができたらトップコーチですね

返信する

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です