小学校高学年から中学校にかけて発生する肩の痛みの問題の一つにリトルリーグ肩があります。
リトルリーグ肩の障害は、骨の問題なので投球再開まで時間がかかる障害です。成長期特有の問題ですので、指導者と親はその内容を知っておく必要があります。
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リトルリーグ肩の症状は?
・投球中の肩の痛み
・数日間痛みが続く
・通常よりもゆっくりした、コントロールの悪い投球
・肩の近くの腫れまたは圧痛
一番の要因は未熟な身体での投げ過ぎ
リトルリーグ肩の大半は投手で発生します。小学校高学年で、投手を任されて試合に勝ち進んで投げる機会が多くなった際に発生しやすいです。
リトルリーグ肩の発症メカニズムは、骨成長の著しい時期に投球動作を繰り返すと、テイクバック時に前腕の重みで肘関節から先は上腕骨に対して外旋方向にストレスを受けますが、上腕骨の近位側(身体の中心に近い側)は筋肉の力で内旋の方向に力が加わることで、上腕骨が捻れのストレスを受けます。
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成長期の骨は柔らかい
成長期の骨は、レントゲン撮影をすると隙間が空いているように見えます。
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これは、成長軟骨といって骨ではなく軟骨なので、レントゲンには写りません。この軟骨の部分が成長とともに骨化することによって、骨は長くなっていきます。
成長軟骨は、特性上骨ほど硬くなく、柔らかい性質を持っており、機械的なストレスに影響を受けます。
そのため、成長期に捻れのストレスが繰り返されると成長の軟骨の部分が離れて、骨が離開していきます。
リトルリーグ肩は、上腕骨の近位骨端線損傷(離開) とも呼ばれます。
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治療は数ヶ月の投球禁止と身体づくり
リトルリーグ肩は、骨の問題なので骨折と同じような扱いになります。骨が離開しているため、定期的にレントゲン撮影を行い、骨の状態が落ち着くまで投球は禁止になります。
MRIや超音波画像診断装置があると、炎症の程度を評価できるので、炎症が収まっていれば投球が可能と判断する場合もあります。
リハビリテーションの内容としては、例えば
- 下半身のストレッチ
- 肩甲帯・体幹の強化
- 全身の協調性練習
- 投球フォームの修正
専門のスポーツ整形の病院で理学療法士にみてもらうと良いでしょう。
骨の問題なので、数ヶ月投げられない期間が必要ですが、将来のためには自分の身体を見直す良い機会になると思います。
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