選手はなぜ考えてプレーできないのか?

練習で頭を疲れさせられるか?

普段の練習で、頭が疲れて精神的な疲労を感じることがありますか?

私が一流の指導者だと感じる人は、選手の頭を疲れさせることができます。

https://www.soccerdigestweb.com/news/detail3/id=70221

才能のないものの武器は、考えることだ

プロ野球監督 野村克也

実は、練習で頭が疲れる状況を作ることは非常に難しいです。

頭を使うということは、脳がエネルギーを消費する状態です。

特に、考える際に使う脳の部分は、大脳皮質と呼ばれるところでこの部分を本気で使うと脳は疲労感を感じます。

考えながら運動を行うという作業は、とても高度なものです。

これは、多くの実験があるのですが

例えば、数字の100から7を引きながら、歩行のタイムを図るという簡単なテストがありますが、計算を入れながら歩くと歩行速度は遅くなります。

これは脳の特徴で、運動と認知の干渉作用とも言われます。

脳の機能としては、脳の運動前野と呼ばれる場所が、運動と認知(考えること)を天秤にかけながら、どちらを優先するかプランニングしていると考えられています。

選手はプレーしながら、考える作業を並行することは難しいのです。

どうやったら、選手を考えさせられるか?

練習中には選手はほとんど考えていません。

先程、説明したように選手は運動と認知(考える)作業を並行して行うことが苦手です。

では、どうやったら選手を考えるように仕向けることができるかというと・・

練習を止める

これが一番効果的です。やりながら、考えることは中高生でも難しいのです。

考えない選手にはどうするか?

考えられない選手は多く存在します。選手が考えられない原因の半分は、指導者にあります。

考えさせるためには、

質問が必要です。

指導者の言葉の質は、質問の質と言っても過言ではありません。

言葉を考えて使う人

一流と呼ばれる指導者は、選手に対する言葉を自然に上手く使う人と、言葉を吟味して考えて使っている人の2種類が存在します。

圧倒的な経験を積み重ねて、毎日選手と向き合うことによって、いつ、どのタイミングでどんな言葉をかければ、選手が自ら動き出すのかを知っている指導者は強いです。

そうした指導者に実績が伴うことによって、さらに言葉の重みが増してきます。

しかしながら、その言葉を生み出すために経験が必要だとすると、若い指導者や実績のない指導者は言葉に深みが出てきません。

そこで必要なのが、質問の技術です。

考えているかどうかは質問すれば分かる

例えば、練習の意図が通じているかどうかは質問をすればすぐに分かりますし、フォームをどこに意識をしているかも質問をすることによって明確にすることができます。

選手の答え方によって、どの程度考えているかを把握することができます。

これは、コーチングの技術と同じなので、技術として身につけていくことが必要です。

質問に加えて、必要な言葉の使い方を紹介していきます。

相手のメリットと一致する言葉を探す

多くの指導者は、自分の話したいことや思いを伝えることを優先して話します。毎日の部活動前後のミーティングや、試合前後で長時間話をする指導者は多いのですが、その効果はとても薄いです。

練習の意義や目的を伝えるには、練習中が効果的です。

サッカーやバスケットボール、ラクビー、カヌーなどの指導者を多く見てきましたが、指導が上手い指導者は練習中にプレーを止めて、細かい部分を修正することが多いです。

その際には、個別に具体的に伝えることが効果的です。

その理由は単純で、

個別に、具体的な方が相手がイメージしやすいからです。

言葉は1対1の方が確実に響きます。

ただし、チーム全体で話す時に注意することがあります。

全体で話す時に気をつけること

人数が多くなればなるほど、個人が受け取る言葉の重みは軽くなっていきます。全体ミーティングでも、人数が多い場合は多く語っても残らないことが大半です。

全体で話す時に気をつけることは

・全体の前で個人を褒めることはOKだが、注意や叱ることは逆効果になる

個人を怒ったり、叱ったりするときは、全体とは別の場面で指導した方がいいです。全体への戒めとして、個人を全体の前で叱る指導者は多いですが、選手の自尊心を著しく損なうので、関係が悪化しやすくなります。

本人の成長を促すためには、個人で注意すべきです。

一方で、全体の前で話す時には個人を褒めることは、選手の自尊心を高めれるために効果的です。

ただし、褒められる対象がチームの中でどのような位置付けか知っておく必要があります。全体で褒めてしまったために、チームメイトから反感を買う可能性があることは認識しておく必要があります。

いつ、どのタイミングで、どの選手を褒めるか叱るかを考える必要があります。

話し方の技術はいろいろありますので、折に触れて少しずつ紹介していきたいと思います。

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