障害予防に関わっていると、ある矛盾に遭遇します。
パフォーマンスを上げるためには、厳しい練習をしなければならない。
一方で、厳しい練習を重ねるほど、怪我のリスクは高くなる。
実は、この当たり前の現象を言及している論文は、あまり無かったのですが明確に指摘した論文があります。
Gabbett TJ. The training—injury prevention paradox: should athletes be training smarter and harder?
この論文で言及しているのは以下の内容です
トレーニング負荷が高いほど負傷率が高くなるという証拠があります。
一方で、トレーニングには怪我に対する保護の効果があるという証拠もあります。
たとえば、最初の怪我を負わせる前に18週間以上のトレーニングを行ったチームスポーツの選手は、その後の怪我を負わせるリスクが低くなり、慢性的な高負荷のトレーニングは怪我のリスクを減らすことが示されています。
幅広いスポーツにおいて、十分に発達した身体的能力は怪我のリスクの減少に関連しています。アスリートが怪我に対する防衛能力を獲得するために必要な身体的能力を開発していくためには、懸命に厳しい練習をする準備をしなければなりません。
最後に、トレーニング不足は怪我のリスクを高める可能性があるという証拠もあります。
まとめると、これらの結果は、トレーニング量の削減が常に怪我を予防するための最良のアプローチとは限らないことを強調しています。
では、障害予防としてできることは何でしょうか?
トレーニング負荷をコントロールすることです。
次回は、トレーニング負荷のコントロールについて学びます。
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