なぜ、メッシのドリブルは足から離れないのか?

ドリブルとカッティング技術を科学する

ドリブルは基本的には、カッティング動作の連続によって行われているのですが、サッカーにおいてはボールが足元にあるため、他の競技とは少し動きが異なります。

ドリブルが上手い選手は何が違うのか、科学的に解説してみます。

ドリブルの条件

・ボールが重心の真下に位置する

・前後左右に重心を動かせる身体の使い方

ボールが取られないためには、ボールと身体の位置関係が非常に重要です。また、ディフェンダーの重心に対して自分の重心をどの方向に持っていくのかによって、ドリブルの上手さは決定します。

重心の真下にボールを置く意味

重心の真下にボールを置く意味は、右にも左にも行ける位置だからです。

右利きの場合、ボールを右側に置いてしまうと右方向へは加速をつけて進むことができますが、逆方向に進むことは難しくなります。

真下におくと、足の内側(インサイド)を使って左方向に行くこともできれば、足の外側(アウトサイド)を使って、右方向に行くこともできます。

メッシ選手やイニエスタ選手はこの動きを高速で繰り返しています。

また、ボールを70−80cm圏内に置いておくことで、1歩の距離でボールをコントロールできるので、加速して前方に進んだり、ストップして後方に進んだり、ボールの置き方によって間合いを取ることができます。

脚を広げない状態で左右へ進む技術

普通は、股関節を大きく外転させて脚を広げて、側方への力を大きくさせてサイドステップを行うのですが、一流の選手は股関節をあまり外転させない状態でボールを運ぶことができます。

この動作を行うためには、足関節と股関節の筋肉がバランス良く働き、協調した運動が必要になります。

高速で進んでいると、どうしても股関節周囲の筋肉が活性化させるのですが、高速の状態でも足関節でしっかりで踏ん張って方向転換できる神経系の機能と筋力が高いことを物語っています。

ボールの置き場所や身体の使いかた、状況判断など要素を上げればキリがないのですが、ボールを取られない技術の一つが常に重心の下にボールを置き、重心を左右に傾けることによって素早い動きを可能にしていることが特徴として挙げられます。

また、ボールを押し出す脚が支持脚として機能していることも注目です。

この辺りの機能については、次回考えてみたいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です